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預託金返還の場合は損金計上できないのですか?
法人がゴルフ会員権を売却した場合、売却金額から購入金額を差し引いて損失が出た場合には譲渡損を計算し(損金計上)、他の年間課税所得額から差し引いて(損益通算)、確定申告することができます(「会員権を売却して損失が出た場合の税金は?(損金計上・損益通算)」参照 なお、個人は平成26年4月1日以降損益通算できなくなりました(会員権同士は除く))。つまり、損失が出た場合には納税額を減らすことができるということです。そのため、過去に高額で購入し現在はそれよりもずっと低い相場で推移している会員権の処分について、この仕組みを利用して損失額を減らすことができます。ただし、ゴルフ会員権を他の方(会員権業者も含む)へ譲渡すればよいのですが、会員権が預託金証券の場合、その預託金額をゴルフ場から返還してもらった場合には損金計上することできないので注意が必要です。
譲渡損の比較例
単純な計算例です。他の控除、消費税等は考慮していません。 | |||||
購入金額(取得費用) | ・・・ | 1200万円 | |||
会員権の預託金額 | ・・・ | 200万円 | |||
現在の売買相場(売却金額) | ・・・ | 100万円 |
会員権を他へ譲渡した場合
譲渡価額(売却金額)−購入金額(取得費用)=譲渡損額
100万円−1200万円=−1100万円
ゴルフ場から預託金を返還してもらった場合
返還してもらった預託金−購入金額(取得費用)=譲渡損額
200万円−1200万円=−1000万円
とはならず、譲渡損額=0となります。
上記2例の法人税額面から見た比較(中小企業等の場合)
年間所得額が1500万円だったとしてそれぞれの税額は、
他へ譲渡した場合 : 1500万円(所得額)−1100万円(譲渡損額)=400万円(課税所得額)
よって 400万円(課税所得額)×15%(税率)=60万円(法人税額)
所得から税金を引いた残り 1500万円(所得額)−60万円(法人税額)=1440万円(手取り)
預託金返還の場合 : 1500万円(所得額)+200万円(預託金返還の所得)=1700万円(課税所得額)
よって 800万円(課税所得額)×15%(税率)+900万円(課税所得額)×25.5%(税率)=349.5万円(法人税額)
所得から税金を引いた残り 1700万円(所得額)−349.5万円(法人税額)=1350.5万円(手取り)
この計算例では、単純な比較ですが他へ譲渡した方がお徳ということになります。
法人住民税や事業税等はここでは無視していますが、譲渡により課税所得額が減る事は同様ですので、節税となります。
なお、上記は単純例です。正確な数値は実際の法定値(税率、控除額等)に基づいて計算してください。
譲渡損を発生させるためには、ゴルフ会員権を他の方へ譲渡(売却)する必要があります。預託金返還では譲渡損は発生しません。上記例のように譲渡損が相応の金額になる場合は、預託金の返還を受けずに他へ譲渡(売却)してしまった方が得な場合があります。そのため、ゴルフ場が預託金を返還しているのにもかかわらず会員権相場が預託金額を下回る、といった今まで考えられなかった相場状況が実際に発生しています。
以上簡単にご説明いたしましたが、税法の変更等がありますので、損失計上等を目的とした会員権売却の際には、詳細について税務署、税理士等に確認されることをお勧めします。
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